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“事務所のこれから”を考える一手としてのM&A ≪BRIDGE≫コラム Vol.23

2026/05/14

コラム サービス

M&Aで損をしないために。事業承継で必ず知っておくべき税金とスキームの基礎

 

こんにちは、PSR M&Aサポートサービス事務局です。

M&Aの交渉が具体化してくると、先生が直面するのは「最終的に手元にいくら残るのか?」という極めて現実的な問題です。1億円で売れるのと、8,000万円で売れるのでは大きな違いですが、実は「どういう形式(スキーム)で売るか」によって、税金の引き算が変わるため、額面以上に手取り額に差が出ます。今回は、社労士事務所のM&Aにおいて避けて通れない「税金」の話を、最新の動向を踏まえて解説します。

 

1. 「事業譲渡」か「出資持分譲渡」か。その税率の差は?

社労士事務所のM&Aで主に用いられるのは「事業譲渡」ですが、法人化されている場合は「出資持分譲渡」という選択肢が浮上します。

事業譲渡(個人の場合): 顧問契約や什器などの「資産」を個別に売却します。この譲渡益は、個人事務所であれば「雑所得」として課税されます。雑所得となる場合、他の所得と合算されるため、高収益の事務所では所得税の最高税率が適用されるリスクがあります。

出資持分譲渡(法人の場合): 社労士法人の出資持分を譲渡します。この場合、譲渡益に対して一律で約20%の分離課税が適用されますので、譲渡額が大きければ大きいほど、株式譲渡の方が圧倒的に手取り額が多くなる傾向があります。

 

2.2026年の現実:ミニマムタックスの適用開始

2025年度(令和7年度)分から、多額の所得を持つ個人に対する「ミニマムタックス(超富裕層課税)」の適用が開始されました。

制度の概要:年間所得から3.3億円を差し引いた金額に対し、一定の税負担を求める仕組みです。なお、税制改正により、2027年(令和9年度)以降は、控除額は1.65億円に下がり、税負担割合が22.5%から30%に上がることになり、対象者も増えると同時に負担額も増えることになります。

M&Aへの影響:数億円規模の譲渡益が出る場合、これまでの「一律20%」という計算が成り立たなくなる恐れがあります。制度が「実働」している今、譲渡時期の分散やスキームの検討は、これまで以上にシビアなシミュレーションが求められています。

 

3.「退職金スキーム」による節税の最大化

最も効果的で検討に値するのが、譲渡代金の一部を「退職金」として受け取る方法です。

ご承知の通り、退職金には強力な「退職所得控除」があり、さらに課税対象額が2分の1になるという、所得税法上最強の優遇措置があります。譲渡前に法人の役員として適切な退職金を設計しておくことで、合法的かつ効率的に手取り額を増やすことが可能です。

 

「税金の話は専門外だから、仲介会社に任せればいい」と考えるのは危険です。ご自身のライフプランに直結するからこそ、最低限の「共通言語」を持って交渉に臨むことが、後悔しないM&Aの鉄則です。

スキーム一つで手残りは変わります。PSR M&Aサポートサービス≪BRIDGE≫では、【譲り渡し希望】の方にM&Aへの必要な準備や持つべきスコープをアドバイスする無料の『事業承継ロードマップ診断』を行っています。是非ご活用ください。


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