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会議を活かすプチファシリテーション ~カーネギー流「人を動かす」会議の進め方~

2019/09/11

コラム

>>デール・カーネギーコラム


デール・カーネギーの歴史的名著「人を動かす」。出版以来80年以上にわたり世界で1500万部以上売れ続けており、今も多くのリーダーたちに愛読されています。この中には他者を動機付けする方法が多数取り上げられており、その柱のひとつが「褒める」です。

ここでは、リーダーとして役立つ「カーネギー流」効果的な褒め方を紹介します。読むだけでなくぜひ実践してみてください。きっとリーダーシップや人間関係によい影響が表れるでしょう。

 

あなたは1日の仕事の中で、会議にどのくらい時間を割いているだろうか?

働き方改革、生産性改革が叫ばれる昨今、会議の生産性の向上が議論されている。

予めアジェンダを送る、参加者を必要なメンバーに絞る、時間を意識するなど様々な方法があるが、本コラムでは会議をコミュニケーションと捉え、その活性化を考える。

世界的なインストラクター養成機関である「デール・カーネギー・トレーニング」のグローバル・マスター・トレーナーである著者が、会議を活性化するコツをお伝えする。

 

ペップトークで自分とメンバーのエネルギーを高めよう

会議の司会や主催者が、こんなふうに会議を始めたらどう感じるだろうか。

  • 元気なさそうに
  • 気乗りしない感じで
  • やらされ感たっぷりで
  • 哀れなほど緊張しながら

あなたが参加者だったらきっとこう思うに違いない。

「はぁ、朝っぱらからめんどくさいなぁ」
「このテンションに1時間付き合わなきゃならんのか」
「俺は忙しいんだけどな。とりあえずこっそり内職しちゃおう」

こんな会議からいい意見が出てくるわけはない。主催者が頼りないのに、参加者に前向きな参加を期待するのは酷な話だ。

まず、「コミュニケーションは鏡」だということを覚えておこう。私たちが笑っていないのに、鏡に映る自分が笑うわけはない。まずは私たち自身が笑う必要があるのだ。

我々のあり方や話し方が、相手に影響するのだ。つまり参加者を前のめりにするには、まずは自分自身がポジティブな姿勢でいる必要があるということだ。

では、どうすればよいか。

会議の直前に以下のようなポジティブな言葉を自分自身に何度か言い聞かせてみよう。元気が出てくるような言葉であれば何でもいい。できれば大きな声と大きな身振り手振りができればなおよい。

「今日も絶好調!」
「今日の会議は最高だ!」
「俺はできるー!」

すると不思議なことに、あなたの話し方は自然にエネルギーが上がり、自信と親しみに満ちた表情になり、ポジティブな印象に変わるだろう。

バカバカしいと思われるかもしれないが、これはペップトーク(Pep Talk)呼ばれる自分を鼓舞するための手法である。アスリートが自分やチームを鼓舞するために掛け声をかけているが、これはもっとも代表的な活用例だろう。

つまりペップトークにより、会議の前に委縮し緊張している自分を奮い立たせ、リラックスさせ、より自然でポジティブなエネルギーをもたせるのである。

すると不思議なことに参加者の気持ちも変わってくる。

「お、今日はなんかいつもと違うな」

と内職する手を止めるだろう。

世界的名著「人を動かす」を著したデール・カーネギーはこう言っている。

「熱意があるように振舞えば、心に熱意が湧いてくる。そしてそれは周囲に伝染する」

ペップトークで自分を奮い立たせ、ポジティブに会議を始めよう!

 

プチファシリテーションしてみよう

■どんどん質問しよう

気持ちよく会議のスタートが切れたら、ずっと喋ってばかりいないでどんどん質問してみよう。

「問題はなんだと思う?」
「それを打開するにはどんな方法があるかな?」
「この状況が進んだらどんな影響があると思う?」

人間はずっと人の話ばかり聞いていると、集中力が低下してしまうという特徴がある。要するに飽きてしまうのだ。だからオープンクエスチョンによって参加者の参加と思考を巻き込もう。

 

■質問したら10秒待つ

質問したら実際に答えてもらおう。

よくあるのは質問者が自分で自分の質問に答えてしまっている状況である。これは沈黙が怖いからか、あるいは思惑と違う答えが返ってくるのが怖いのだ。

沈黙を恐れないようにしよう。その間、参加者は考えたり、意見を述べるための心の準備をしているのだ。

だからひとまずニコニコしながら10秒は待ってほしい。

 

■少人数で話をさせる

10秒経っても意見が出ない場合はどうすればよいか。それには原因がいくつか考えられるが1つは質問がわかりにくい可能性がある。その場合は、質問の表現を変えてみよう。

それでも答えが出てこない場合は、大勢の前で意見を述べることを恐れている可能性がある。

その場合は、2~3人組で手短にディスカッションさせてみよう。少人数なら人間はより安全に話せるようになるものだ。
そしてどんな意見がでてきたか各グループに聞いてみよう。驚くほど意見が出てくるはずだ。

 

■とにかく全肯定しよう

意見が出てきたらとにかくまず肯定しよう。

「いいね!」
「そのとおり!」
「なるほど!」
「ありがとう!」

これをファシリテーションでは「アファーミング(affirming、肯定)」という。

仮に的はずれな意見が出たとしても、否定しないほうがよい。

「それも大事なことだね!」
「後で議論していこう!」

などと肯定的に扱おう。

会議で参加者が意見を述べないのは、人前で否定されたくないからだ。否定されるくらいなら黙っているのだ。

それを打開するには、とにかく意見を出してくれたことに感謝し、肯定的に扱おう。そうすれば意見を言ってもよいのだという心理的安全が確立される。

もちろんアファーミングの言い方も大事だということを覚えておこう。前述のようにポジティブなエネルギーで肯定的に反応しよう。

コミュニケーションは鏡である。私たちがポジティブに振舞えば、彼らもポジティブに反応してくれるのだ。

 

執筆者


石原 由一朗(Yuichiro Ishihara)先生

●デール・カーネギー トレーニング・ダイレクター
●カーネギー・マスター・トレーナー

大手製造業において、財務会計システムを中心として業務システム構築・運用のプロジェクトマネジメント、ビジネス開発に従事。その後、人事にて採用・教育部門の責任者として、新入社員研修、若手社員向け研修、管理者向け研修、昇格者研修などのトレーニングを企画・運営。その後、デール・カーネギー・ジャパンにてトレーナーとして多くの企業研修、公開クラスを担当。また、トレーニング・ダイレクター、カーネギー・マスター・トレーナーとして研修プログラムの開発、トレーナーの採用・育成を統括し現在に至る。

 

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石原トレーナーが登壇!「デール・カーネギー・トレーニング PSR版シリーズ」を今年も開講します!

 

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