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TAとは?

2019/11/20

コラム

TAというのはTransactional Analysis、日本語に訳すと交流分析の意味になります。
つまり交流、コミュニケーションを分析する、ということでしょうか。

これは、心理学の中のひとつの学派で、エリック・バーンというアメリカ人の精神科医がまとめたものです。

TAには心理学には珍しく「目的」というか「哲学」というものがあります。

それは何かと言うと、「自律的によりよく生きていく人になる」ということです。

子供の頃に無意識に身につけてしまった自動反応で起こる「自己防衛」や「反応パターン」を自覚し、役に立つものは強化し発展させ、役に立たないものを手放していく、というプロセスを「やってみる」ことを援助することなのです。

つまり、後から後悔する「あ~あ、またやっちまったよ」とか「何であんなこと言っちゃったんだろう?」をしないようにするための「生き方の理論」だと思うと分かりやすいですね。

TAを創ったエリック・バーンという人は、とても頭脳明晰な人だったそうで、この難しい心理学という分野を「普通の人」でも分かるようにするべき、と考えていたようです。

そして、難しい専門用語などは使わずに、普通の人でもわかる言葉で理論を作り上げたのです。
ですから、TAは普通の人でもとても分かりやすくまとめられれているのです。

1960年代半ばに世界中に広まりはじめ、1970年代にとても有名になりました。
普通の人でも《分かりやすい》というところがその原因だったのでしょうね。

日本にも1980年代に入ってきて、大学教育や企業研修などに活用されています。

とくに企業研修ではコミュニケーションやリーダーシップ、メンタルヘルスやハラスメントなどの分野で実際にTAが活用され、大きな効果を上げています。

組織は人で出来ていますから、TA理論を応用すれば対人関係関連のものは、ほぼ網羅できると考えてもよいかもしれませんね。

心理学には「人は自分を知った深さまでしか、相手を理解できない」ということわざがあります。

よりよく生きていくためには、まず自分自身を理解することが必要ということです。そのために使える心理学としてTAは大変すぐれた実践臨床心理学なのです。

TAの主な理論には大まかに下記の分野があります。

①自我状態分析

自分の性格がどのようなバランスで形成されているかを6つの自我の傾向(つまり、自分の中に6人の自分/自我がいる、という考え)から分析します。

6人の自我のどれが高いのか、低いのかによって、自分が「どんな性格か」「何を感じやすくて、何を感じにくいのか?」「どういう感情傾向が強いのか?」「どんな親に育てられた結果、どんな性格になったのか」
等々、自分の性格の理解を深めていきます。

これを勉強すると、自分の性格の創られ方やその原因などが良くわかるようになり、自分の無意識の行動パターンも分かるようになるので、自己コントロールがしやすくなると言われています。

②やりとり分析(交流分析)

コミュニケーションするには複数の人が必要です。そしてそれぞれその人たちもみんな6人の自分を自分の中に持っているわけです。
そうすると、お互い、6人の中のどの部分(あるいは誰)が主導権を持って話しているか、聞いているかによって、会話の中身が変わってきます。

このやり取り分析では、コミュニケーションをする人が6つのどの性格からお互いにやりとりをしているかを分析しまし、よりよいコミュニケーションにもっていくにはどうすればいいのかを学びます。

③人生脚本分析

人は皆、「おぎゃあ!」と生まれてから9~12歳を中心に、「これからの人生どう生きていくか」というシナリオ(脚本)を書くと言われています。このシナリオは1本ではなく、数百本書くと言われています。

これらのシナリオは大きく分けると3種類あり、「勝者」「敗者」「どちらでもないもの」があります。

勝者というのは「お金」「財産」「地位」などでなく、「自分の能力や可能性を発揮して生き生きと生きている人」と仮定され、敗者はその逆で、「自分の能力を発揮せずに、私はダメだ・・私はできない・・」といいながら生きている人と仮定されています。

「どちらでもない人」は、時々勝ったり、時々負ける・・・。でも全体を見てみると、『勝っていもいないし、負けていもいない・・・・という人たちのことです。

ここでは自分の脚本を点検し、敗者の脚本を手放し、勝者の脚本へ書き換えていく、ということをやります。

④ゲーム分析

無意識のうちにやっている最終的にうまくいかない「繰り返されるネガティブなコミュニケーションのパターン」を分析し、修正していきます。

この人とは事柄やきっかけはぜんぜん違うけど、なぜかいつも同じようなパターンに陥り、うまくいかなくなり、けんかになったり、責められたり(責めてしまったり)する関係になってしまう・・・。

そう、これがゲームなのです。ここでは親しい関係ほど良く起きやすいこの「心理的ゲーム」を分析し、止めることを学びます。

⑤ストローク・ディスカウント理論

他者(自分)との関係の持ち方のくせを分析し、よりよい人間関係の構築を目指します。
「承認」と「値引き」という二つのエネルギー傾向からコミュニケーションを分析し、よりよい関係構築に役立てていきます。


他にも禁止令やドライバーあるいはラケット感情など、いくつかの理論がありますが、代表的なものは上記になります。

TAはとてもシンプルで役に立つ、実践的な臨床心理学の理論です。カウンセラーや援助職、人事コンサルタントだけでなく、“こころ”に興味があり、自分の人生をよりよくしたいと思っている方なら、どなたでも学ぶ価値があるでしょう。

 


執筆者

刀根 健(とね たけし)氏

OFFICE LEELA 代表
上級TAインストラクター/産業カウンセラー/ABH認定ヒプノセラピスト/メンタルヘルスコンディショナー

1966年生まれ。 商社に営業職として入社後、営業職としてコミュニケーションやカウンセリングスキルの必要性を感じ、産業カウンセラーを取得。教育・研修を中心とした業務に専念するため、同社を退職し社会人教育研修企業(ヒューマン・アカデミー㈱)へ入社する。心理カウンセリングとキャリアカウンセリングを統合した独自のカウンセリングの資格取得コースの開発を担当した後、人事部門に転属、教育・研修・制度を担当する。 2006年に(株)ヒューマンスキル開発センターへ講師、コンサルタントとして入社し、人事制度の改革や風土改革等のコンサルティングも得意とする。指導実績は官公庁や大手通信企業、不動産、信用金庫など幅広い業種のほか、多数の病院に向け研修を行っている。2018年同社を退職、独立して現在に至る。著作に「ストローク・ライフのすすめ」」(フォーメンズ出版)がある。


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