2025年度版:労働保険の年度更新|基本手順と注意点<後編>
毎年6月は、労働保険の年度更新手続きの時期です。締め切りのある届出をスムーズに乗り切るためには、早めの準備がおすすめです。
前編では、「そもそも労働保険年度更新とは」「事前の準備」についてお伝えしました。>>>前編はこちら
後編では、労働保険料の算出にあたり「間違えやすいポイント」「労働保険料の納付事務」について解説します。
封筒がふたつ届いたら注意したいこと
6月初旬には、労働局から、年度更新に必要な申告書類一式が緑色の封筒に入って郵送されます。
届く封筒はひとつの会社が多いですが、ふたつ以上届く会社もあると思います。
その会社は、事業の種類が複数ある会社です。労災保険料率は事業の種類によって異なるため、申告書一式も事業の種類ごとに必要になるのです。
異なる種類を誤って申告してしまうと、労働局から訂正を求められることになります。
事業の種類が複数ある場合は、準備段階の(1)の「労災保険、雇用保険の対象となる労働者の確認」を事業の種類ごとに分けて行っておきましょう。
「年度更新申告書計算支援ツール」等で保険料を算出する際も、取り違えしないよう、「労働保険番号」「業種」の区分を確認し、正しい労災保険料率を入力しましょう。
間違えやすいポイント
労働保険年度更新で注意したいポイントは以下の通りです。
<<<2025年度版:労働保険の年度更新|基本手順と注意点<前編>
プロフィール
和久 明
わく社会保険労務士事務所(https://waku-sr.com)
小規模な専門書出版社で勤務ののち、社員15万人超の運輸業で社会保険手続き・給与計算・年末調整・業務改善・ライフプランセミナー講師を15年以上にわたり経験。
自身が出版社勤務時代、育児休業制度を知らず取得できていないことから、「知らない人に制度を広めたい!」と社会保険労務士を志す。いつも忙しく手が足りない中小企業の、法改正のキャッチアップ&フォロー、社員の働きやすさ実現、業務の見える化支援に取り組んでいる。東京社会保険労務士会会員。
両立支援コーディネーター、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。