| ●年金教育委員会 第15回 | |
|---|---|
Aさん(37歳会社員)は、私的な急病により突然亡くなってしまいました。Aさんには以下の遺族が残されましたが、遺族厚生年金を受け取ることができるのは一体誰でしょうか。(出題:社会保険労務士 牛膓 智) |
|
| 遺族厚生年金を受給できる遺族の範囲と順位は下表のとおりです。なお、いずれも亡くなられた当時、亡くなられた方の収入によって生計の一部以上を維持されていた方のみが該当します。 |
| 1位 | 配偶者 子 |
・妻は年齢不問、夫は55歳以上 (配偶者は内縁関係でも可) ・子は18歳になった年度の年度末(3月31日)までにある子、または障害等級1級・2級の状態にある20歳未満で現に婚姻していない子 |
| 2位 | 父母 | ・55歳以上 |
| 3位 | 孫 | ・子と同じ要件 |
| 4位 | 祖父母 | ・55歳以上 |
答 (2)元妻との間の子
離婚した元妻については、Aさんと正式に離婚し、その後も2年間に数回しか会ったことがない、という事実からAさんとの内縁関係も存在しなかったと判断されるため、配偶者にはあたりません。
この場合、「遺族の範囲からは除外される」ことになります。
元妻との間の子については生計維持関係の有無がポイントとなります。
設問の場合、
(1)Aさんが養育費等を振込んでいたこと、
(2)元妻が無職であったこと、
の2つの点から、この子にとって生計を維持してくれていた人は、父親のAさんであったといえます。
ところで、同居の実母については、死亡した人の子で遺族基礎年金を受けることができる者がいる場合には、実母より子の順位の方が上のため、遺族厚生年金を受給できません。もしも、第一順位者の子がいるのを知らず年金を受給してしまうと、後々子が申請して年金の支給が開始された場合、これまで受け取った年金を全額返還しなければならなくなってしまうので注意が必要です。
また、いったん子が遺族厚生年金をもらえるようになると、実母には遺族厚生年金を受け取る権利はなくなってしまいます。なお、設問では、判定を容易にするため元妻を無職としてありますが、実際には収入があっても生計維持関係があった、と認められるケースが数多く存在します。
| 生計維持関係にある者 | 被保険者が亡くなった当時、亡くなった被保険者の収入によって生計の全てまたは一部を維持されていたという事実がある者。被保険者が世帯主であることや被保険者との同居・別居、民法上の親族や遺族であることは問われない。 |
設問と同様な例で、亡くなった方が会社員(厚生年金)ではなく、自営業者(国民年金)だったらどうでしょうか。
まず、(1)の元妻は同様の理由で受給することはできません。では(2)の子は、ということになりますが、この場合、元妻と世帯を同一にしている限り、子への遺族基礎年金の支給は支給停止という処分になってしまいます。支給停止ですから当然に(3)の実母には受給権が発生しません。
設問の場合の生計維持を証明する方法
一般的には養育費等を受取ったことがわかる受領書や、振込先のわかる通帳の記帳履歴などと、子を育てている親の納税証明書(市町村発行)を添えて、通常の裁定請求書に必要な書類と共に社会保険事務所へ提出します。
また、離婚協議書や家庭裁判所の各種決定通知書など、養育費等の金額や支払い方法が定めてある書類がある場合には、それらも添付します。
この証明ができないと、たとえ生計の全てを維持されていたとしても、年金を受給することが非常に難しいものになってしまいます。



















































