| ●年金教育委員会 第8回 | |
|---|---|
現在、61歳の人たち(いずれも昭和19年5月2日生まれ、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしています)の中で、老齢基礎年金を繰上げ受給できる人は、3人のうちで誰でしょう?(出題:社会保険労務士 清家 武彦) |
|
| 老齢基礎年金は、原則、65歳から支給されますが、これより早く受け取ることもできます。これを「繰上げ」受給といいます。 受給の要件は 1)60歳以上65歳未満の人であること、 2)保険料を納めた期間または保険料を免除された期間があって老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること、 3)国民年金の任意加入被保険者でないことです。 任意加入とは、年金の加入期間が足りなくて年金がもらえない人や、加入期間が40年に満たなくて満額にならない人が、年金の権利を確保したり、より金額を増やしたりするために、60歳以上になってからも自ら希望して国民年金に加入することです。 なお、昭和16年4月2日以降に生まれた人が、60歳以上65歳未満の間に厚生年金や共済年金に加入している場合(働きながら老齢厚生年金をもらっている場合も含む)には、第2号被保険者として既に国民年金に加入していることになります。ですから、改めて自ら希望して国民年金に加入する任意加入被保険者とはならず、老齢基礎年金を繰上げ受給することができます。 さて、繰上げ受給すると年金額が一生減額されてしまい、後で取り消すことができませんので、注意が必要です。年金額の減額率は、昭和16年4月2日以降生まれの人の場合、月当たりでマイナス0.5%、年にするとマイナス6%(=マイナス5%×12ヶ月)となります。ちなみに、昭和16年4月1日以前生まれの人の場合、月当たり何%ではなく、年当たりで一律の減額率が適用されています。 |
【老齢基礎年金の減額率について】 |
| 繰上げ時点 | 昭和16年4月2日以降生まれ | 昭和16年4月1日以前生まれ |
| 60歳到達時 | ▲30% (▲5%×60ヶ月) | 一律 ▲42% |
| 61歳到達時 | ▲24% (▲5%×48ヶ月) | 一律 ▲35% |
| 62歳到達時 | ▲18% (▲5%×36ヶ月) | 一律 ▲28% |
| 63歳到達時 | ▲12% (▲5%×24ヶ月) | 一律 ▲20% |
| 64歳到達時 | ▲ 6% (▲5%×12ヶ月) | 一律 ▲11% |
甲子さんは、現在、国民年金に任意加入しているため、繰上げ受給できません。もし繰上げ受給を希望するなら、任意加入をとりやめてからでなくてはなりません。
乙夫さんは、現在、厚生年金に加入(第2号被保険者)していますから、国民年金の任意加入被保険者になりませんし、丙平さんも、既に40年加入済みで国民年金の任意加入被保険者になりませんので、繰上げ受給できます。正解は、乙夫さんと丙平さんです。
| 補足説明 |
繰上げ支給をすると、年金額が減額される以外にもデメリットがありますので、慎重に考える必要があります。主なデメリットとして2つ紹介します。
デメリットその1 繰上げ支給した後、65歳に達する日の前日までに障害状態になった場合であっても、障害基礎年金をもらえません。
ちなみに、障害基礎年金の金額は2級の場合、老齢基礎年金の満額と同額の795,000円、1級の場合、2級の1.25倍です。
デメリットその2 自営業者の奥さまは、寡婦年金をもらえません。
ちなみに、寡婦年金は、自営業者の旦那さんが亡くなった場合、一定の要件を満たせば、その奥さまが60歳から64歳の間、旦那さんの老齢基礎年金の4分の3支給される年金です。



















































