| ●年金教育委員会 第40回 | |
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老齢基礎年金は「繰上げ」という制度があります。これは、本来は65歳から支給される老齢基礎年金を前倒しでもらえるという制度です。さて、老齢基礎年金の繰上げを受けている人の割合は次のうちどれでしょう。(社会保険労務士 担当:岸本 ひろみ) |
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老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人は、本人が希望すれば60歳から64歳の間でも、老齢基礎年金を受けることができます。その場合の年金額は、受け始める年齢に応じて本来の老齢基礎年金額から一定の率で減額されたものになります。年金を繰上げると、本来の支給開始年齢である65歳に達する前にもらえるので、得なように思えますが、65歳以降も減額調整されたままの年金額が一生続きますから、トータルで損をするような場合もあります。
また、この繰上げ支給は、さまざまな制約があり、思いもよらぬ不利益をこうむることがありますので、注意が必要です。
正解は(3)。
老齢基礎年金の繰上げ受給率は、平成15年度末現在では51.2%となっており、年々減少しています。(社会保険庁 社会保険事業の概況より)
●満額の年金を60歳から受け取るとして、何歳まで生きれば繰上げ受給しない方が得か。
昭和16年4月1日以前に生まれた人の場合:71歳と11ヶ月を超えて長生きするようなら、繰上げしない方が得です。
昭和16年4月2日以降に生まれた人の場合:76歳と8ヶ月を超えて長生きするようなら、繰上げをしない方が得です。
| 老齢基礎年金 | 国民年金に原則として25年以上加入した人が65歳から受ける、全国民に共通した年金です。年金額は40年加入した場合が満額となり、加入年数がそれに満たない場合は、その期間に応じて減額されます。本人が希望すれば、60歳以降から繰り上げて、また、65歳以降に繰り下げて受けることもできます。 60歳から特別支給の老齢厚生年金を受けている人は、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金に切り替わります。 |
| 繰下げ支給 | 老齢基礎年金の支給は原則として65歳からですが、本人が希望すれば66歳以降から受けることができます。これを繰下げ支給といいます。その場合、年金額は、受け始める年齢に応じて、本来の老齢基礎年金額が一定の率で増額され、その額が一生続きます。 |
たとえば、老齢基礎年金を繰上げ受給していた妻がその後、遺族厚生年金も受給できるようになったというケースでは、60歳から64歳の間は、老齢基礎年金か遺族厚生年金のどちらかを選択しなければなりません。つまり、65歳になるまでは二つを一緒に受給することができず、もし遺族厚生年金を選択すれば、その間老齢基礎年金は支給停止されます。たとえ65歳になって再び老齢基礎年金を受給できるようになっても、その額は、繰上げたときに減額された年金額となります。老齢基礎年金の繰上げ支給については、さまざまなリスクがあります。必ずしも損とはいえませんが、一度請求すると2度と変更できませんので、よく考えることが必要です。社会保険事務所で十分に説明してもらい、納得したうえで手続きをするようにしましょう。
●繰上げ受給の注意点
(1)年金額は本来の支給開始年齢の65歳から受給する場合の額に比べ、請求したときの年齢に応じて、一定の額が減額されます。この額は65歳になっても引き上げられることはありませんので、一生減額された年金を受給することになります。
(2)繰上げ支給は、一度請求すると、裁定の取り消しや変更はできません。
(3)繰上げ支給をすると、夫が亡くなっても寡婦年金はもらえません。
また、寡婦年金をもらっていた人が繰上げ受給をすると、寡婦年金はもらえなくなります。
(4)繰上げ支給をすると、65歳になるまでの間に、障害等級1・2級の障害に該当することになっても、事後重症の障害基礎年金の請求をすることができません。
(5)繰上げ受給後、65歳になるまでの間に、会社に勤め厚生年金保険に加入すると、繰上げ支給の老齢基礎年金は支給停止になります。(昭和16年4月1日以前生まれの場合)
(6)
繰上げ支給を受けている間は、65歳になるまで他の公的年金と老齢基礎年金を同時に受給することはできず、一つの年金を選択することになります。(昭和16年4月1日以前生まれの場合)
以上のような制約がありますので、繰上げ支給の請求をするときは、十分に説明をしてもらい、よく考えたうえで手続きをしましょう。
●繰上げ支給の減額率とは
老齢基礎年金を繰上げて受けた場合に、年金額が減額調整される率は、昭和16年4月1日以前に生まれた人と、昭和16年4月2日以降に生まれた人では大きく違っています。
昭和16年4月1日以前に生まれた人の場合は、減額幅が大きく、60歳から繰上げた場合は、満額の58%しかもらえませんでした。
しかし、昭和16年4月2日以降生まれの人に対しては、新しい減額率が適用されることとなり、平成13年4月以降に60歳になる人が、60歳から繰上げた場合は、満額の70%が支給されることになりました。
また、新しい減額率では、受給年齢が「1ヶ月」遅くなると、「1ヶ月」について「0.5%」ずつ支給率は高くなります。
【繰上げ支給率】
| 受給年齢 | 昭和16年4月1日以前に生まれた人 | 昭和16年4月2日以降に生まれた人 |
| 60歳 | 58% | 70% |
| 61歳 | 65% | 76% |
| 62歳 | 72% | 82% |
| 63歳 | 80% | 88% |
| 64歳 | 89% | 94% |
| 65歳 | 100% | 100% |



















































